社会保険制度(労働保険・社会保険)
社会保険とは広義の意味では社会保険と労働保険をいいます。
制度は狭義の意味での「社会保険」と「労働保険」に分けることができます。
◆社会保険・・・医療保険、年金保険、介護保険、
◆労働保険・・・労災保険、雇用保険
事業主は、従業員の社会保険環境を整備する義務があります。
社会保険
■社会保険制度の目的
●健康保険
日本の医療保険制度は、職域によって加入する制度が異なります。大きく分けると、農業や自営業を営む人たちが加入する「国民健康保険」、会社や工場、商店などで働く人が加入するのが『健康保険』です。
一定の事業所に使用される労働者を被保険者(法第69条の7被保険者を含む)とし、被保険者の業務外の疾病、負傷、死亡及び分娩、その被扶養者の疾病、負傷、死亡及び分娩について保険給付を行い、被保険者の生活の安定に寄与することを目的としています。
●年金制度
公的年金は、老後の所得保障の主柱として、高齢者の老後生活を実質的に支えていくことをその役割としています。
項目 | 届け出るとき | 届・申請書 | 添付書類 | 提出期間 |
---|---|---|---|---|
被保険者 資格 |
従業員を採用したとき、転勤者が転入したとき | 被保険者資格取得届 | 被扶養者(異動)届、年金手帳、年金証書 | 5日以内 |
被保険者が退職、転職または死亡したとき | 被保険者資格喪失届 | 健康保険被保険者証 | 5日以内 | |
65歳以後も厚生年金保険に加入を続けるとき | 厚生年金任意継続被保険者資格取得届 | 20日以内 | ||
退職後個人で健康保険に加入を続けるとき | 厚生年金保険高齢任意加入被保険者資格取得申請書 | 年金手帳 | そのつど | |
育児休業をとり、保険料の免除を申し出るとき | 健康保険・厚生年金保険育児休業保険料免除申請書 | すみやかに | ||
標準報酬 | 定時決定のとき | 被保険者報酬月額算定基礎届 被保険者報酬月額算定基礎届(総括表) |
毎年8月1日~8月10日まで | |
随時改定のとき | 被保険者報酬月額変更届 | すみやかに | ||
特別保険料 | 賞与、期末手当など標準報酬の対象以外の報酬が支給されたとき | 健康保険・厚生年金保険賞与等支払届 | 5日以内 | |
年金手帳 | 年金手帳をなくしたり破っってしまったとき | 年金手帳再交付申請書 | 年金手帳(添えられるとき) | すみやかに |
被扶養者(健康保険) | 被保険者に異動があったとき | 被扶養者(異動)届 | 健康保険被保険者証、在学証明書や被扶養者の年収を証明できる書類 | 5日以内 |
被保険者と被扶養者が遠く離れて住んでいるとき | 遠隔地被保険者証交付申請書 | 健康保険被保険者証、住民票など | そのつど | |
被保険者 | 被保険者の氏名が変わったとき | 被保険者氏名変更(訂正)届 | 健康保険被保険者証、年金手帳 | すみやかに |
被保険者の住所が変わったとき | 厚生年金保険被保険者住所変更届 | すみやかに | ||
被保険者が2つ以上の事務所に勤務する場合 | 2以上事業所勤務届(保険者が同一の場合) 保険者選択届(保険者が異なる場合) |
10日以内 | ||
事業主 | 事業主が変わったとき | 事業主変更届(新旧事業主が連署する) | 5日以内 | |
事業主の氏名、名称・所在地が変わったとき | 事業所関係変更(訂正)届、適用事業所所在地・名称変更(訂正)届 | 5日以内 | ||
届書に訂正事項があるとき | 各種届書訂正届 | 氏名、生年月日、資格取得年月日を訂正するときは健康保険被保険者証、年金手帳 | すみやかに |
協会けんぽへの手続き
項目 | 届け出るとき | 届・申請書 | 添付書類 | 提出期間 |
---|---|---|---|---|
被保険者証再交付等 | 健康保険被保険者証が回収不能・滅失してしまったとき(事業主) | 健康保険被保険者証回収不能・滅失届 | 被保険者証の添付できない場合 | すみやかに |
健康保険被保険者証を滅失・き損してしまったとき | 健康保険被保険者証滅失・き損再交付申請書 | き損の場合被保険者証 | すみやかに | |
高齢受給者証をなくしてしまったとき | 高齢受給者証滅失・き損再交付申請書 | き損の場合高齢受給者証 | すみやかに | |
出産等 | 被保険者が出産のため会社を休み報酬を受けられないとき | 健康保険出産手当金支給申請書 | 出勤簿・賃金台帳のコピー | |
被保険者(被扶養者)が出産するとき | 健康保険出産育児一時金支給申請(事前用) | 母子保健法第16条第11項の規定により交付された母子健康手帳もしくはその他出産予定日を証明する書類 | ||
被保険者(被扶養者)が出産したとき | 健康保険出産育児一時金支給申請書 |
全国健康保険協会山形支部ページ
労働保険
■労働保険制度の目的
労働保険は労働者災害補償保険(一般に「労災保険」といいます。)と雇用保険とを総称した言葉であり、保険給付は両保険制度で別個に行われていますが、保険料の徴収等については、両保険は労働保険として、原則的に1体のものとして取り扱われています。
労働保険は、農林水産の事業の一部を除き、労働者を1人でも雇っていれば、その事業主は加入手続きを行い、労働保険料を納付しなければならないことになっています。
■労災保険 |
労働者が業務上の事由または通勤によって負傷したり、病気に見舞われたり、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保障するため必要な保険給付を行うものです。また労働者の社会復帰の促進など、労働者の福祉の増進を図るための事業を行っています。 |
■雇用保険 |
労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、再就職を促進するため必要な給付を行うものです。また失業の予防、雇用構造の改善等を図るための事業も行っています。 |
●労働保険料の 申告・納付はお忘れなく
労働保険料(労災保険と雇用保険)の申告・納付期限をお忘れなく。手続きはお近くの金融機関(日本銀行歳入代理店)又は労働基準監督署で手続きを行ってください。
お問い合わせは 山形労働局 労働保険徴収室(624-8225)又は労働基準監督署におたずねください。
※ただし当所事務組合に委託されている方については、指定日納付となります。
●労働保険 の手続きの留意点
◆労働保険に加入条件として次に該当する場合はパートタイム労働者も加入できます。
●1年以上引き続き雇用されることが見込まれること
●1週間の所定労働時間が20時間以上あること(20時間~29時間59分)
●収入の年額が90万以上あると見込まれること
◆パートタイム労働者の雇入れには雇用通知書を交付しましょう。
パートタイム労働者の雇入れの時の労働条件の明示は口頭によるものが多く、雇入れ後にトラブルが発生することが少なくありません。パートタイム労働者を雇入れたときは、できるだけ早く、賃金、労働時間その他の労働条件に関する事項を明らかにした文書(雇用雇入れ通知書)を交付し、適正な雇用管理を行いましょう。
☆雇用通知書のモデル様式は厚生労働省のホームページからダウウンロードできます。厚生労働省様式ダウンロードサービス
◆最低賃金を確認しましょう。山形県の最低賃金
■天童商工会議所では事業主のかわりに面倒な労働保険事務を代行する事務組合制度があります。
⇒天童商工会議所労働保険事務組合
手続き
=従業員の採用・退職に係る手続き一覧=
■採用したとき
雇用 |
労働条件通知書(雇入れ通知書) |
社内 |
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雇用 |
労働者名簿作成 |
社内 |
3年保管 |
賃金 | 賃金台帳の整備 | 社内 | 3年保管 |
税務 |
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 |
社内 |
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雇用労険 |
雇用保険被保険者資格取得届 |
ハローワーク |
10日以内 |
社会保険 |
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 |
日本年金機構 |
5日以内 |
■退職したとき
雇用 |
労働者名簿整理 |
社内 |
|
税務 |
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 |
社内 |
|
税務 |
退職金の支払がある場合は、申告書提出 住民税の特別徴収 |
市町村 | |
雇用保険 |
雇用保険被保険者資格喪失届 離職票 |
ハローワーク |
10日以内 |
社会保険 |
健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届 |
日本年金機構 |
5日以内 |
■異動(社員の氏名・住所・扶養者など)
雇用 |
労働者名簿の変更 |
社内 |
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税務 |
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 |
社内 |
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雇用保険 |
雇用保険被保険者 氏名変更 |
ハローワーク |
10日以内 |
社会保険 |
健康保険・厚生年金保険被保険者氏名変更 |
日本年金機構 |
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■社員の継続雇用(60歳 70歳 75歳)
雇用保険 |
<60歳> |
ハローワーク |
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社会保険 |
<70歳> |
日本年金機構 |
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■社員の継続雇用(社員の病気・ケガ・死亡)
病気・ケガ |
・療養補償給付たる療養の給付請求書(5号) |
労働基準監督署 |
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病気・ケガによる死亡 |
・労働者死傷病報告書 ・第三者行為災害届 ・遺族補償年金支給請求書(12号) ・遺族補償一時金支給請求書(15号) ・遺族補償年金転給等請求書(13号) ・葬祭料請求書(16号) |
労働基準監督署 | |
私傷病 | ・健康保険傷病手当金支給申請書(休業し給与が支払われない場合) ・健康保険第三者の行為による傷病届 |
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◆労災があった場合
■療養の手続き
■休業補償の手続き
(1)業務災害による療養のため休業していること
(2)その療養のため労働することができないこと
(3)賃金を受けていないこと
(4)休業4日目以降であること(3日までは事業主負担)
支給額
全部労働不能の場合:1日につき給付基礎日額の6割相当額を支給。
さらに、特別支給金(休業特別支給金)として、給付基礎日額の2割相額支給。
*給付基礎日額とは、原則として労働基準法の平均賃金に当たる額です。