天童将棋駒の制作過程
国井孝(彫り師)
桜井和男(盛上師)
将棋駒の製作で重要な原材料は、木と漆以外にはありません。もちろん、将棋駒が確立した年代より変化はありません。駒は単に五角の形が重要なのではなく、駒木地の「木目」や「木肌」も大切であり、しかも「色・つや」・「1枚の駒の重さ」までも考慮した繊細さが残っており、将棋駒は木以外の材料 は受け入れない日本の「木の文化」を象徴しています。
漆についても、「粘り」や「のび」は他の材料には無い特性で、とって変わることはできません。 1500年代の確立した当初は、「墨」もありましたが現在はありません。
将棋駒は、駒木地を作る「木地師」・駒木地に字を書く「書き師」・駒木地に字を彫る「彫り師」と 明確に分業体制ができております。
木地師は、丸太材より「鋸」や独特の「駒切りナタ」を使用して、1枚1枚手作業で作成します。その熟練した「ナタ使い」や木地の木目を大事にする木地作りは、手作業作業以外ではとって変わることのできない作業です。書き師は、下書きなしに駒木地へ直接「将棋文字」を漆で書いていきます。その技術は、数秒で1枚の駒を書く早さで、スピ-ドはもちろん細い部分や、かすれ具合は「熟練」を要し、完成品は美しく人を魅了します。
漆についても、「粘り」や「のび」は他の材料には無い特性で、とって変わることはできません。 1500年代の確立した当初は、「墨」もありましたが現在はありません。
将棋駒は、駒木地を作る「木地師」・駒木地に字を書く「書き師」・駒木地に字を彫る「彫り師」と 明確に分業体制ができております。
木地師は、丸太材より「鋸」や独特の「駒切りナタ」を使用して、1枚1枚手作業で作成します。その熟練した「ナタ使い」や木地の木目を大事にする木地作りは、手作業作業以外ではとって変わることのできない作業です。書き師は、下書きなしに駒木地へ直接「将棋文字」を漆で書いていきます。その技術は、数秒で1枚の駒を書く早さで、スピ-ドはもちろん細い部分や、かすれ具合は「熟練」を要し、完成品は美しく人を魅了します。
彫り師は、将棋独特の文字を印刀一本で彫りあげます。太い字は深く、細い字は浅く彫ります。彫った所に漆を入れる作業は、単純ですが経験が必要な作業といえます。
将棋駒の種類
盛上駒
種類 |
製造 |
駒 |
スタンプ駒 | 駒木地に直接スタンプを押したもの | 普及品、中級品 |
書駒 (かきごま) |
漆で駒木地に文字を直接書いたもので、書体は楷書と草書があります。天童の伝統は草書体の書き駒です。 | 中級品用 |
彫駒 (ほりごま) |
「機械彫り」と「手彫り」があります。字体の簡略度により、黒彫、並彫、中彫、上彫り、と分けています。 | 中級品~高級品用 |
彫埋駒 (ほりうめごま) |
彫りあがった駒に下地漆(生漆ととのこを練り合わせた錆漆)を調合し一回ずつ乾燥させて数回にわたって下地漆を入れ、数段階に分けて水を使わずに砥ぎ出した後に、瀬戸うずくりやとくさ等を使って平滑に仕上げたもの。 | 高級品用 |
盛上げ駒 (もりあげごま) |
彫埋め砥ぎ出した駒に、蒔絵筆を使い文字を漆で浮きだたせ、乾燥のあと入念に磨いたものであり、技術的にも難しく、手作業による作業となります。盛上駒の職人は全国的に大変希少です。将棋駒の最高級品です。 | 最高級品用 |
将棋駒の材質
材料 |
生産地 |
駒 |
本黄楊(ほんつげ) | 御蔵島産(東京都) 薩摩産(鹿児島県) |
高級品用 |
シャムつげ | タイ、カンボジア産 | 中級品用 |
まき(マユミ) | 東北各県など | 普及品、中級品 |
はびろ(ハクウンボク) | 東北各県など | 普及品、中級品 |
あおか(ウリハダカエデ) | 東北各県など | 普及品、中級品 |
いたや(イタヤカエデ) | 東北各県など | 普及品、中級品 |